会話は良好な人間関係を築くのに欠かせないものです。上手に会話ができれば、相手との距離は縮まり、絆を深めることができます。
一方、会話の仕方を失敗して一度ギクシャクした雰囲気になってしまうと、そこから挽回するのはとても難しくなります。会話には成功と失敗があるのです。
ここでは、会話をするときに、どんな話題や言葉を選べば良いかについて考えます。
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話題にしてはいけないもの
まず考えたいのは、話題にしてはいけないものです。一般的にタブーとされているのは、政治や宗教に関する話題です。
これはとても個人的なことなので、うっかり自分の考えを話してしまうと、相手に不快感を与えてしまうことがあります。
他にも、話題にしない方がよいものをいくつか考えましょう。
相手の家族の話
これは一見問題が無いように感じますが、ほぼ初対面の人と話すときには十分注意が必要です。
自分の家族の話を少しだけする分には問題はありませんが、相手の家族についてあれこれ質問してはいけません。
性格、育った環境、体調や家族関係、人の状況はそれぞれです。自分の状況を普通だと思っていると、相手を無思慮に傷つけてしまうことがあります。
例えば、相手のことを何も知らないうちから「お子さんは何人ですか?」と言った、子供がいて当たり前という考えで質問したり、学歴や両親の仕事などを話題にするなら、場合によっては気まずい雰囲気を避けられないかもしれません。
うわさ話
どこどこに、大きなショッピングモールができるらしい・・・。この程度のうわさ話なら無害かもしれませんが、ここで避けたいのは人に関するうわさ話です。
うわさ話が好きな人も、それを聞くのが好きな人もいるでしょう。
しかしそれが続くと、必ずその場の雰囲気は悪くなり、疲れ、何も生み出していないことに虚しさを感じるようになります。
“偉人は理想を語り、凡人は事物を語り、小人は人を語る”という言葉があるように、人のうわさ話ばかりする人は、自分が凡人でさえなく懐の浅い小さな人間であることを相手に知らせているようなものなのです。
また、そのうわさと出所が、本人の耳に入ってしまった時に、どれほど人間関係に亀裂が入るかを考えると、軽いうわさ話で失いかねないものは大きいと言えるでしょう。
不平不満やグチ
お酒の力を借りて、自分の至らない点をポロリと口にするぐらいなら可愛いものかもしれませんが、終始不平不満やグチをこぼしていると、相手はうんざりしてしまうでしょう。
いつも前向きな話ばかりをするべきとまでは言いませんが、グチはほどほどにすることをお勧めします。
話題にすると良いもの
話題にすると良いものは実にたくさんあります。また、それは相手に会う前に準備しておくことがおすすめです。どんな話をすれば、和やかな雰囲気で過ごせるでしょうか。
相手の良いところを褒める
これは、お世辞を言うのとは違います。お世辞は心がこもっていないので、すぐに相手にバレてしまいますが、本当に良いと思ったことを具体的に褒めれば、相手は喜びますし、暖かい空気を作り出すことができます。
例えば、「●●さんの資料はいつもわかりやすくて、知りたいことを全部含めてくれているので助かります!」とか、「●●さんは、本当に電話の対応が丁寧で感じがよいので、私も見習いたいなと思っているんですよ!」と言った具合です。
言われた相手は、具体的な内容を褒められるので、“この人は自分のことをよく見てくれている”と感じて嬉しい気持ちになるはずです。
ちょっとした相談
例えば、自分が業務の中で苦手だと思っていることを相談するのも、相手との距離を縮めるよい話題です。
相手がくれたアドバイスに感謝の言葉を伝えれば、良い関係が生まれます。プライベートな内容や、深刻すぎる話は、逆に空気を重くしてしまうので避けた方が良いでしょう。
相手の趣味の話
例えば、「よく釣りに行かれるそうですね!どこに行かれるのですか?」とか「ゴルフがお上手らしいですね!何年ぐらいされているのですか?」と言ったように、相手の趣味の情報が前もって入っているならそれを話題にすることができます。
恐らく、この一つの質問で、会話は発展し、しばらくその話で盛り上がることができるでしょう
会話がうまく行かないときはどうしたらいい?
上手な会話術を学び実践しても、相手は人間なので、うまく行かない時もあります。そんな時の対処法も押さえておきましょう。
空気が重くなってきたら
自分以外の誰かが、タブーな話やうわさ話、グチなどのマイナスな話をし始め、空気が重くなってきたら、タイミングを見計らい、「そういえば・・・」とか「ところで・・・」と言って話題を変えましょう。
その後の話は、何かの業務に関する情報や、前述した話題にすると良いものに切り替えます。
目上の人の話を一方的に聞くと言うシーンでない限り、会話は自分次第でコントロールできます。
もし、上司が会社や誰かの愚痴を話し始めたら、否定するのは避け、「それは大変でしたね」とか「そんなことがあったんですね」と相槌程度の言葉を返します。
相手と一緒に悪口を言うことはしなくても、相手に感情移入をすることはできます。そしてすかさず、「部長は不満が全く態度に出ませんね」とか、「いつも冷静なのですごいです」と声をかけることで、話をプラスの方向に持って行くことができます。
会話が続かない時
お互いに、または相手が口下手で会話が続かない場合は、無理に話す必要はありません。和やかな雰囲気を作りつつ、仕事の話をしましょう。
もし相手が同僚で、出張や外出を共にする場合、移動中などは沈黙が続いても問題はありません。必要なことは話し、相手を思いやっていれば、会話をしなくても信頼関係を築くことができます。
失言をしてしまったら
ついうっかり口にしてしまったことで、雰囲気が悪くなった場合は早めに謝りましょう。
気づいた時に、「失礼なことを言ってしまってすみません」ときちんと伝えることで、その場にいた別の人も安心させることができます。
相手もよほどのことでない限り、許してくれないということはないはずです。
まとめ
会話を盛り上げようとする場合は、ネガティブな話題は避け、みんなが笑顔になる話題を提供することが大切です。
誰かをけなすのではなく、褒めましょう。話がマイナスの方向に逸れ始めたら、タイミングを見て話題を変えます。
そういった日々の誠実な努力は、同僚や先輩、上司に見られているものです。それにより他の人からの信頼度は増しますし、“あの人は人の悪口を言わない人だ”とか、“いつもポジティブで爽やかな人だ”という評判も得られるでしょう。人間関係の不必要なトラブルに巻き込まれずにも済みます。
口にする前によく考えて、たくさんの人との会話を楽しみましょう。