上司や先輩は、自分を成長させてくれる存在、失敗も足りない点もカバーしてくれる頼りになる存在かもしれません。
一方同僚や後輩は、一緒に成長する同士と言えるでしょう。親しい間柄になるのに多くの時間は要しないかもしれませんが、会社という場所で、親しさよりも重要なのは長続きする関係です。
ここでは、同僚や後輩とうまくやっていくコツや、気まずいシーンを上手に乗り切るポイントを考えます。
同僚は友達とは違う
家族以上の時間を一緒に過ごすのが会社の同僚です。
しかしながら、家族や友達とは全く別の関係性を築いて行く必要があります。そのために重要なのは、礼儀です。
プライベートでは友達に発展していたとしても、社内では同僚として、親しき仲にも相応の礼儀を表しましょう。
信頼して頼る
長続きする良い関係は、相手を信頼することから始まります。
一緒に仕事をする時は、自分の意見を押し付けず、相手の話をよく聞き、相手の方法でやってみることで、信頼を表すことができます。
相手を認めて褒める
人にはそれぞれ得手不得手があります。
自分には難しいと思えることも同僚にとっては容易である場合、苦手を克服するためのアドバイスをもらったり、そのことで相手を褒めることで良い関係を築くことができます。
「褒める」ことには努力がいります。具体的に褒めることで自然に接することができます。
噂話に気をつける
注意しておきたいのは、噂話です。噂というのは厄介で、実際に根も葉もないこともあります。
噂話を乗り切る一番の方法は「聞かない」ことです。
それでも、「聞きたくない」とか、「その話はやめよう」と言った直接的な言い方をすると、気まずくなってしまうので、相手の話を少し聞いたあたりで、「そうなんだ・・・ところで○○の件なんだけど・・・」と話を変えましょう。
ずっと聞いていると、自分も噂の当事者に対して同僚と同じ見方をしてしまう可能性があります。
また、相槌を打っただけなのに、同調したと思われてしまうかもしれません。
後輩はありがたい存在
社会人として成長するための第一歩は、後輩を持つことから始まるかもしれません。
それまでは、一人前の社会人になるために先輩や上司から指導を受けますが、後輩を持って初めてさらにその先に進むことができるのです。
そのことを考えると、後輩は自分を成長させてくれるありがたい存在と言えるでしょう。
自分から話しかける
出会って間もない人に話しかけるのは、誰でも緊張するものです。
でもこの場合一番緊張しているのは、後輩の方ではないでしょうか。先輩である自分から積極的に話しかけましょう。
例えば、「仕事には慣れた?」とか「説明でわかりづらいところはない?」など、仕事に関係することであれば気軽に話しかけられるのでは無いでしょうか。
イライラしない
後輩に同じことを何度も聞かれたり、仕事が遅いなどの理由で、イライラすることはありませんか?
そんな時は、自分の新人時代を思い出しましょう。どうしても注意しなければいけない時には、一呼吸おいてイライラする気持ちが無くなってから、丁寧に伝えます。
「さっきのこの件、〇〇って言ったよね!」と言うのではなく、「さっきのこの件、○○にした方がいいと思う。次からお願いしてもいい?」と柔らかく伝えましょう。
口には出さなくても心のイライラは相手に必ず伝わります。注意する時は、心を鎮めてからにしましょう。
お手本になる
仕事の仕方以外のこと、例えばビジネスマナーや、オフィスでのマナー、上司への話し方、電話対応、ファッション、身だしなみ、姿勢、おじぎの仕方などは、口で言うより自分がお手本になった方が、早く確実に教えることができます。
後輩は、先輩の外見だけではなく、言葉遣いや振る舞いもよく見ています。
いつも見られていることを意識して行動しましょう。
後輩のグチを聞く時
後輩が上司や他の同僚のグチをこぼし始めたら、それは後輩があなたを信頼している証拠かもしれません。それでも、同調するのはNGです。
同僚の噂話とは違い、後輩が日頃考えていることを知るためにも、話は最後まで聞きましょう。
その上で、「そう思ってたんだね。でも、○○部長は、あなたのことを期待しているっていつも言っているよ。」とか、「もしかしたら、○○の件を教えようとしていたのかもしれないね。」など、前向きな事実や考えを伝えましょう。
褒めて励ます
誰でも褒められると嬉しくなり、もっと頑張ろうと思うものです。
上司や同僚を褒める時にはわざとらしくならないように注意が必要ですが、後輩は純粋にたくさん褒めてあげましょう。
「さっきの電話応対良かったね!」とか「この資料、前よりずっと分かりやすくなってるよ!」など、“素晴らしい”、“成長している”と言うことをストレートに伝えます。
こちらは照れ臭いかもしれませんが、相手はきっと純粋に喜ぶはずです。
注意をする時
後輩が失敗をしたり、言われてことをやっていない時は、うやむやにせずきちんと注意することも先輩としてすべきことです。
でもやり方を間違えると、しばらく気まずい雰囲気になったり、場合によっては後輩が心を閉ざしてしまうことにもなり兼ねません。
注意をする時は、タイミングや言い出し方を工夫しましょう。
例えば、失敗をした時にすぐに注意するよりも、後で和やかな雰囲気の時に、まず褒める点を述べた後、「こうするともっといいよ!」とか「あれはこうした方が良かったよね!」と言えるかもしれません。
後輩の今後のためにちょっと強めに注意しなければならない時もあるでしょう。
そう言う時は、「いつもこうしてくれてるのに、今日はどうしたの?」とか「今日のようにすると、〇〇が起こるから禁止されているの。」と相手を気遣ったり、どうしてそれをしてはいけないのか理由をはっきりさせることで、後輩の反省を程よく促すことができます。
後輩に注意することも、仕事の一環です。
「叱る」のではなく「注意する」と言うことを意識しましょう。腹立ち紛れにまくし立てるのはNGです。
まとめ
同僚や後輩と良い関係を築く上で大切なのは、相手に対する思いやりです。
人と付き合うということは、ビジネスの場でもプライベートな場でも、その根本に思いやりの気持ちがなければ、いつかバランスを崩してしまいます。
同僚と友達になる必要はありませんが、相手を認め、信頼し、褒め、励まし、時には注意すると言うことを毎日繰り返していれば、自然と相手を思いやる気持ちが湧いてくるのではないでしょうか。
それは、気が合うとか合わないと言うこととは別問題です。同僚とは、時にはグチを言い合って、関係を深めることもあるかもしれませんが、それは最小限に留め、一緒に成長しようという気持ちで接しましょう。
後輩には、自分の好みを押し付けるのではなく、相手の成長を願いながら、心のこもった教育と指導を行うことで、良い関係を長く続けることができます。
人間関係だけが原因で好きな仕事を辞めてしまうのは、とても残念なことです。「人を思いやり大切にする」と言うことを常に意識して、同僚や後輩と長く良い人間関係を築きましょう。
